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スプルーワックスで作る、石付きリング(仕上げ)・おうちでジュエリー作りませんか?

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 前回、スプルーワックスで石付きのリングの原型を製作し、鋳造に出しました。

 鋳造に出したワックスは、2週間ほどで金属になって返ってきます。

 磨きや石留など、細かい説明が必要かとは思いますが、今回は、手順をざっくり説明していきたいと思います。

 ※細かい部分の説明は、また別の記事でご紹介できればと思っています。

 

 

sui

自宅アトリエでジュエリー製作をしております。
・デザインから制作、石留、彫りまで一人で手掛けています
・2017年イタリア彫金短期留学、フィレンツェ彫りを学ぶ
・趣味で始めた彫金歴は30年
ジュエリーが好きな人、ジュエリー作りに興味がある人、ジュエリー作りを始めたい人のお役にたてればと、
主婦目線、女子目線、作る人目線でジュエリー製作について綴っています。

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湯道を取ります

鋳造後の状態

 鋳造から返ってきたリングには、金属を流し込んだ時にできる湯道(湯口)がついています。
湯道の数や太さ、付いている場所は、デザインや地金の種類によってまちまちです。

 湯道は鋳造業者さんが、ざっくりニッパーで切っているだけですので、これを整えていく必要があります。

 

 バレル研磨は、研磨剤とステンレスなどのピンや玉と一緒に洗濯機みたいにガラガラ回して、摩擦?で磨きます。鋳造業者さんに依頼すればやってくれます。
鏡面仕上げほどの輝きは出ませんが、鋳造後の白く荒れた地金肌が一皮むけたようになるのでおすすめです。

 バレル研磨機があれば、自分で研磨することも可能です。(研磨機以外に、専用の研磨剤やポリッシングピンも必要です)

 
↓磁気バレル研磨機、一度に指輪が10〜20個ほど磨けるようです。

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↓小さめのバレル研磨機もあります

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余分な湯道を切って、ヤスリで削ります

 湯道をカットしていきますが、その前に、湯道がリングの外側にあるときは、先に真円とサイズ出しをします。
思いの外、縮んでいたりしたときなどに、湯道があった方が叩いて伸ばしやすいからです。

 湯道はできるだけ、糸鋸かニッパーで切ります。小さくても塊でとっておいた方が、溶かして再利用しやすいからです。

 湯道が、切れるほど残っていない場合は、ヤスリで削ります。

 

 

石が入るように石枠を整えます

石が入るか確認します

 鋳造後の地金は、ワックスの時より若干縮んでいます。
石枠のデザインにもよりますが、今回は、石がピッタリ入らなければいけないデザインなので、石が入るか確認します。

 入らなくなっていたら、無理矢理押し込まず、石枠の内側を少し削ります。

 

石枠の内側を削ります 

 今回は、リューターに、ダイヤモンドビットを付けて削りました。

ダイヤモンドビットだけですと、削った面がガサガサなので、シリコンポイントなどで整えておくといいと思います。

 

 ↓ダイヤモンドビット

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感想(14件)

 ダイヤモンドビットの価格はピンキリです。
高いものの方が、ダイヤモンドがとれにくくもちが良いですが、どちらにしろ消耗品ですし、あれば何かと便利ですので安いセットを一つ持っておくといいと思います。

 

 ↓シリコンポイント

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 形状、硬さ、粗さ違いで種類がいろいろあります。

 ダイヤモンドビットもシリコンポイントも、手持ちのリューターに合う軸径か確認してくださいね。

 

 

磨いていきます

ペーパーをかけ、ヘラで磨きます

 全体にサンドペーパーをかけていきます。一皮めくるようにペーパーで整えるときれいに仕上がります。ペーパーの番手は、600・800番くらいでいいかなと思います。

 凹凸が多く、滑らかに仕上げたい場合は、ヤスリも併用します。
ナチュラルで、味のある仕上がりにしたい場合は、ヤスリやペーパーで整えなくてもいいと思います。

 ピカピカに仕上げたい時は、磨きヘラをかけるとバフでの研磨作業が楽になります。
また、地金の表面が、しまるので、傷がつきにくくなるという利点もあります。

 

 ↓磨きヘラ

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バフで磨きます

 リューターでバフに研磨剤をつけて、磨いてピカピカにします。

 バフの種類も、研磨剤の種類もとても多くどれを選べばいいのか迷うところだと思いますが、こればっかりは、いろいろ試して自分で好みのものを見つけていくしかないのかなと思います。

 リューターの回転数やモーターの強さ、バフの種類や硬さ、研磨剤の粗さや粘り、デザインや作風、それぞれ微妙に違うものの組み合わせで最適なものが変わってくるからです。

 バフや研磨剤の種類が非常に多いのは、それだけ需要があって、好みがわかれる部分なのでしょう。

 

 ちなみに私は、シルバーとゴールドの時は、鹿革バフに「金ピカ」を付けて磨いていますが、それが正解というわけでもないので、いろいろ試してみてください。

 また、シルバーに磨きヘラをかけない場合は、少し粗めの研磨剤で磨いてから仕上げの研磨剤で磨くといいかもしれません。

 ゴールドは、金ピカだけで光ると思います。

 プラチナは、しつこくて、なかなか光ってくれないのでまたの機会に・・・。

 

 

 ↓豆セームバフ、セーム革=鹿革でこちらは「キョン(鹿の一種)」の革製です。

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 ↓豆バフにはマンドレールが必要です。

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 バフは消耗品ですので、軸付きよりも、バフとマンドレールの方が経済的かなと思います。

 

 ↓金ピカ

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 ↓シルバーの磨きですと青棒が一般的でしょうか

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爪を倒して石を留めます

爪を整えます

 石留めの方法もいろいろありますし、石のカットによっても違いますが、私は、できるだけ石に負担がかからないように、ある程度爪を整えてから倒しています。

 爪の長さもデザインの一部ですが、あまり長いと石のサイズによっては爪で石が隠れてもったいないですし、爪が曲がりやすいです。かといって短すぎても石にかからないと留まりませんので、適度な長さが必要です。

 

爪をたおします 

 今回の石は、底面がフラットなカットなので、カボッションカットやローズカットのように石にそわせるように留めます。

 私は、ほとんどの石留を、改造した石留ヤットコでしますが、タガネやプッシャーを使われる方のが多いように思います。

 どの方法でも、工具を石に当てないように、少しずつ爪をたおし、できるだけ爪の先端まで石に密着させるようにします。

 

 ↓石留ヤットコ、海外製のようですが、ステンレス製ではなさそうなので加工がしやすいと思います。基本的には、使いやすいように自分で削って加工しますので。

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 ↓爪たおし用のプッシャーです、やはりこれも先端を自分で加工します。

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 石留の工具は、自分で使いやすいように加工することが多いですが、加工しなくても留められます。
ピンセットの背で押して爪をたおす方もいますので・・・。

 工具の加工は、石に傷をつけないよう、より安全に美しく留めるための各人の工夫の賜物ですね。

 

 

爪を整え、磨いて完成です

 倒した爪は、できるだけ引っ掛かりがなくなるようにヤスリで削ります。

 このとき、石に傷をつけないように、注意が必要です。

 

 爪の部分を磨いて、完成です!

 

 

 

まとめ

 「磨いて石を留める。」
文字で書くとこれだけなのですが、この手順の中には、いろいろな工程がありそれぞれ工具が必要です。

 また、それはデザインや作風、好みによって様々です。

 ネットには情報があふれているので、何でどうするのが正解なのか迷うと思いますが、正解は一つではないと思います。お料理と同じで各家庭の味があり、隠し味があり、秘伝のレシピがあるようなものです。

 迷っているのであれば、深く考えず、とりあえず一つ作ってみてください。

 出来上がったときの喜びを味わってみて欲しいのです。

 

最初は、地金がピカッと光って石がとれなければOKなのです。

 楽しんで作ってみてください!

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