最近、イタリアでフィレンツェ彫りを学んで、ジュエリーブランドを立ち上げる方が増えているようで、洋彫りを施したジュエリーをよく見かけるようになりました。
シャープでキレのある和彫りの彫り面に比べ、彫りは浅いのですが繊細で華やかな印象の洋彫りに心惹かれる方も多いと思います。
そんな洋彫りを自分の作品作りに取り入れてみたいと思っても、和彫り以上に学べる所が限られますし、このご時世(2021/5)イタリアに行くわけにもいきませんよね。
そんな中、私の拙い知識でも誰かの役に立てたなら…という思いと、「こんなふうに彫ってますよ〜。」というのをお伝えしたくて、フィレンツェ彫りについて語るページを作りました。
皆さまに興味を持ってもらえると、うれしいです。
洋彫りタガネ、最初に揃える4本
洋彫りをするにはまず、タガネ(彫る道具)が必要ですよね。
でね、タガネを購入しようと彫金工具屋さんのネットショップとか見ても、型番だけでよくわからなかったりしますよね。
さらに、種類も多い….。
「どれを選べばいいの?」
って、なりますよね。
そんな方にずばり、おすすめの4本を紹介します。
今回紹介するタガネは、フィレンツェで彫りを教えてくれたマルコ先生のセレクトです。
イタリア留学時、マルコと一緒に彫金工具屋さんに行って、選んでもらったものをそのまま紹介しています。
今回ご紹介するタガネは、手でタガネを押して彫っていくフィレンツェスタイルの洋彫りタガネです。
ハワイアンジュエリーなどに用いられる、電動グレーバーで使用する洋彫りタガネとは種類が違いますので、ご注意ください。
1,ONGELLA ポイント
細い線彫り用のタガネです。
バローベの型番、LO0403-5 HSS
基本の線彫りができるのと、刃を倒して幅の広い線も彫れます。
まず、試しに1本と思ったらこれがいいと思います。
HSSは、ハイス鋼
WSは、工具鋼(炭素鋼かな?)です。
ハイスの方が刃のもちがよく、錆びにくいですが、どちらでもいいと思います。
vallorbe(バローべ)洋彫りタガネ LO0403-5-HSS 価格:1,738円 |
2,TONDO ラウンド
幅の広い線が彫れます。
バローベの型番、LO0402-6 HSS
縁の飾り彫りなどに使われます。
vallorbe(バローベ)洋彫りタガネ LO0402-6-HSS 価格:1,738円 |
3,PIATTO フラット
平らな刃で、幅広く彫ります。
バローベの型番、LO0401-10 HSS
エッジ部分や、ポイントで彫ったあとフラットで、陰影をつけるように彫ります。
↓WSですが、HSSがみつからなかったので。
vallorbe(バローべ)洋彫りタガネ LO0401-10-WS 価格:2,453円 |
4,RIGATA ライン
細い筋を一度に何本も彫ります。
バローベの型番、LO0413-14-8 WS
ラインとラインの間のピッチと、ラインの本数の組み合わせで種類の多いタガネです。
Seta(セータ・絹)と呼ばれる絹目やGranita(グラニータ・粒状にする)と呼ばれる表面加工に使います。
和彫りと違い、ジュエリーの表面を埋め尽くすように彫るのがフィレンツェ彫り。
そんな洋彫りらしさを出すためにも、重要なタガネです。
余談ですが…
4のラインタガネにでてきた、グラニータですが、イタリアでグラニータと言えばGranita=シチリア発祥の氷菓子というのが一般的ですね。
氷の細かい粒々が残る、ちょっとジャリジャリ感のあるシャーベットのようなもので、
Gelateria(ジェラート屋さん)では、いろんなフルーツのグラニータが
Bar(カフェ)では、Granita di Cafe (グラニータ・ディ・カフェ)コーヒーのグラニータが楽しめます。
私、まだグラニータには出会ったことがないので、次回、イタリアに行くときには暑い季節にしたいなと思います。
ジェラートも、暑い季節のほうが楽しめますしね。
まとめ
イタリア留学する前、コモキンさんやハープさん、シーフォースさんのカタログとにらめっこしながら、「洋彫りセット=30本とか買わないといけないのかなぁ?」「結構な出費だなぁ…。」と、考えておりましたが、結果4本で良かったという…
「えっ?4本でいいんですか?」と言う私に
「最初から何本も買っても使いこなせないから。」と言うマルコ
ごもっともです。
慣れてきたら、買い足せばいいですし、使ってみないとわからないですから、最初は少ない本数で十分だと思います。
また、ご紹介したタガネはバローベの型番とサイズですので、別メーカーのものをお買い求めの際は表記のサイズを参考にしてください。
タガネだけでは彫れませんので、持ち手もお忘れなく。
今後、持ち手の付け方などもご紹介していきたいと思っていますので、しばらくお待ちください。
持ち手(柄)のつけかたの記事をUPしました
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