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洋彫りタガネの作り方③、タガネの研ぎ方

フィレンツェ彫り・洋彫りタガネの研ぎ方
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前回、刃先を削ってタガネを作ってからだいぶたってしまいましたが…

 

洋彫りタガネの作り方 ②、刃先を削る
前回のブログで、タガネを持ち手(柄)につけました。  今回は、刃先を削って整えていきます。 タガネを彫れるようにするまで、もう一息です。     刃先を削ります 刃先を削る目的は、手に合わせて、刃の長さを調整することと、もう一つ、彫るときに...

 

今回は、刃先の研ぎ方をご紹介していきます。

なかなかコツがつかめず、研ぎ方が悪いのか?彫り方が悪いのか?試行錯誤するかもしれませんが、段々上手くなりますので、焦らず練習するのが一番です。

 

 

sui

自宅アトリエでジュエリー製作をしております。
・デザインから制作、石留、彫りまで一人で手掛けています
・2017年イタリア彫金短期留学、フィレンツェ彫りを学ぶ
・趣味で始めた彫金歴は30年
ジュエリーが好きな人、ジュエリー作りに興味がある人、ジュエリー作りを始めたい人のお役にたてればと、
主婦目線、女子目線、作る人目線でジュエリー製作について綴っています。

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砥石について

基本的には、オイルストーンや油砥石と呼ばれる、油をつけて研ぐ砥石を使います。

 

 

包丁を研ぐときに使う砥石のような、水で研ぐタイプの砥石より、油で研ぐ砥石の方がおすすめです。

油砥石の方が
・サビが出にくい
・砥石がへたりにくい

という特性があるからです。

逆に、包丁を研ぐなら水研ぎの砥石がおすすめで、油砥石だと油でベタベタするし、衛生的ではないそうです。

 

イタリア留学時に購入したノートンのインディア砥石は、ほんとにへたりにくい(砥石が削れていかない)のでおすすめです。

先生が選んでくれたので番手がよくわからないのですが、けっこう荒目。
サンドペーパーでいうと♯400くらいでしょうか??
タガネが削れていく粗さであれば、何でもいいのでお好みで。

アルカンサス砥石だと、細かすぎて削るといより磨くという感じなので、インディア砥石で形状を整えたあとに磨くのに使うのがおすすめです。

 

刃物の研ぎはとても奥が深く、砥石の種類もたくさんありますし、好みも分かれるところでもあります。

これが正解ということもないので、まずは気楽に研いでみて、
「もっとガシガシ削れた方がいいなぁ。」→荒い砥石にしてみる
「もっとツルツルにしたいなぁ。」→細かい砥石にしてみる
で、いいと思います。 

 

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タガネの研ぎ方

イタリア留学時に「えっ??」って思うことはいろいろあったのですが、タガネを研ぐ向き?もそのひとつ。

和彫りの感覚だと、包丁と同じで縦(前後)に研ぎますよね?
でも、フィレンツェ彫りのタガネは横(左右)に研ぐんです。

洋彫りでも電動グレーバーとか縦に研ぐのが一般的な気がするのですが、ここでは私が習った方法で進めていきますね。

 

研ぐときは刃が上

 

彫るときは、刃がついている側が下ですが、研ぐときは、刃がついている側を上にします。

 

↓こんな感じで持ちます

 

砥石にピタッとあてます

 

 

 

横にスライドさせて研ぐ

 

このときの砥石にあてる角度で刃の角度が変わります。
だいたい、45〜60°くらいで。

この角度、鋭角だと直線が彫りやすく、鈍角だと曲線が彫りやすいです。

絶対この角度じゃなきゃ彫れないってことはないので、気楽に研いでいきましょう。

ただし、研ぎ面はまっすぐスパッと平らでないと彫りにくいです。

 

ピタッとタガネを砥石にあてたら、ゆっくり左右にスライドさせて研いでいきます。

途中で角度が変わらないように注意して、一定のリズムで動かすとふらふらせずに安定します。

机に向かってまっすぐ座ったら、少し砥石を斜めにすると研ぎやすいように思います。

 

 

必ず油を少しつけて研ぎましょう。

 

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刃先の形

 

それぞれのタガネの先端をアップで撮ってみましたので、参考にしてみてください。

※あまり研ぎは得意でないので、参考程度に・・・。

 

ONGELLA ポイント

一番よく使うタガネですので、最初はポイントタガネから研ぐのがいいでしょう。

研いで彫ってみて、少しずつ自分の彫りやすいように微調整していってください。

必ず、ルーペで確認しながら、きれいな傾きのない二等辺三角形を研ぎ出していきます。

最初は面がガタガタになったり斜めになったりするものですが、それでも彫れるので安心してください。
研いで彫って研いで彫ってを繰り返すうちに、上手に研げるようになりますし、上手に研げれば彫りやすくなります。

 

TONDO ラウンド

ポイントタガネとほぼ同じ形で、先が丸いだけなので、ポイントタガネが研げれば難なく研げるようになります。

 

 

PIATTO フラット

ポイントやラウンドよりも鈍角に研ぎます。

 

 

RIGATA ライン

ラインのギザギザがまっすぐ並ぶように研ぎます。

絶対に刃がついている側を研がないように。

次の、バリおとしの時にも絶対にさわらないようにしてください。

※横研ぎだと、ギザギザの刃の部分にそれほどバリは出ないと思います。

 

 

バリのおとし方

研いだら必ずバリが出るので、バリをおとします。

バリのおとし方もいろいろだと思いますが・・・

♯2000くらいのサンドペーパーで数回、手前に滑らせます。

動画ではわかりにくいですが、タガネのカーブに沿って動かしながら手前に引きます。
ルーペで確認しながら、バリがなくなるまで繰り返します。

ラインタガネのギザギザの刃だけは、触らずそのままです。

 

ポイントタガネだけですが、親指の爪に刃先をトントンと当ててみてください。

刃先が爪に引っかかる感じがあれば、研げています。
この感覚を覚えておいてください。

彫っていて、切れ味が悪くなってきたときに研ぎ直しが必要かどうかのチェックポイントだからです。

一人で彫りの練習をしていて、うまく彫れないときに、彫り方が悪いのか?研ぎ方が悪いのか?両方なのか?悩むと思うんです。
その時に、爪にトントンしてみてください。

ちなみに、切れ味が悪くなってくると、爪に引っかからずに滑る感じになります。
その時は研ぎ直しましょう。

 

 

まとめ

なかなか文章にまとめるのが難しい内容でしたが、伝わりましたでしょうか?

 

私が習ったのは、砥石で研いで、バリをおとすだけでしたが、和彫りのタガネのようにピカピカに磨くのもありじゃないかなと思います。
とはいえ、フィレンツェ彫りの細かい繊細な彫りは、このタガネの細かい彫りあとの乱反射から生まれるので、私はこのままのスタイルでいこうと思います。

研ぎの方向も縦でもいいと思いますが、ラインタガネだけはバリの出る方向の関係で、横研ぎの方がいいんじゃないかなと思います。

 

皆さま、いろいろ試してみてくださいね。

 

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