スポジューメン/Spodumene
和名:リシア輝石/りしあきせき
化学組成:LiAl₂Si₂o₆
結晶系:単斜晶系
劈開:二方向(90°)に完全
モース硬度:6.5 – 7
光沢:ガラス状
色:ピンク・青紫・青・緑・黄色・無色
屈折率:1.660~1.676(±0.005)
複屈折量:0.014〜0.016
比重:3.18(±0.03)
スポジューメンってどんな石?
あまり馴染みのないスポジューメンですが、クンツァイトという名なら聞いたことがあるのではないでしょうか?
スポジューメンという鉱物のうち、
ピンク〜紫系の石を「クンツァイト」
緑系の石を「ヒデナイト」
黄色系の石を「トリフェーン」と呼びます。
名前の由来は、ギリシャ語の spodumenos (燃えて灰になる)です。
また、輝石鉱物(パイロクシーン)に分類され、翡翠、ロードナイト、ダイオプサイト、エンスタタイトなどと仲間の石です。
硬度が、6.5・7と二つあるのは、結晶の向きによって硬度が違うからです。
硬度とは別に石の割れにくさの指標となる、靭性(石の粘り強さ)は、アパタイトよりも低くいです。石留め怖いですね~。
硬度はそこそこありますが、劈開が二方向に完全という性質と靭性が低いという性質があるため、衝撃に弱く割れやすいです。
ジュエリーに仕立てる時は、石を守れるようなデザインを工夫し、指輪にするよりもネックレスやイヤリングにした方がいいかもしれないですね。
クンツァイト/Knzite
スポジューメンの中でピンク色〜紫色のものが、クンツァイトと呼ばれます。
宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツによって、新しい鉱物であると解明されたことから、クンツ氏の名前をとり「クンツァイト」と名付けられました。
クンツァイトのピンク色は、スポジューメン中のアルミニウムがマンガンに置き換わることによるものです。
比較的大きくてクリアな結晶が採れるので、クリアでスッキリしたライラック色のルースを手に入れることは、それほど難しくないようです。
クンツァイト独特のピンク色と、大きめのルースが手に入れやすいことはとても魅力的ですね。
クンツァイトについて、詳しくは「GIA・米国宝石学会」のサイトをご覧いただくのがおすすめです。
↓
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ヒデナイト/Hiddenite
スポジューメンの中で緑色のものが、ヒデナイトと呼ばれます。
発見者の鉱物学者、ウィリアム・アール・ヒデンの名から「ヒデナイト」と名付けられました。
ヒデナイトの緑色は、アルミニウムがクロムに置き換わることによるものですが、まれに、鉄が起因の緑色もあるようで、それはヒデナイトとはよばず、「グリーンスポジューメン」と言うそうです。
でも、実際、そこまで成分分析して販売しているかどうか?
ですので、緑系は全て「ヒデナイト」とされて売られていることが多いようです。
ヒデナイトはクンツァイトより、小粒の結晶が多いようです。
屈折をとるときに間違いやすい石は、コーネルピン(屈折率1.667-1.680)・ダイオプサイト(屈折率1.675-1.701)・ペリドット(屈折率1.654-1.690)です。
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トリフェーン/Triphane
スポジューメンの中で黄色系のものが、トリフェーンと呼ばれます。
トリフェーンは強い多色性を持ち、3色見えるので、ギリシャ語の triphanēs(三つの顔の意)に由来したこの名がつけられました。
発色要因は、鉄に起因しているのではないかと言われていますが、よくわかってないみたいですね。
産出量が少なく、市場にはほとんど出回らない希少性の高い石です。
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お手入れ
硬度は低くないのですが、衝撃に弱く、割れやすいので他のジュエリーとぶつからないように保管して、優しく扱うようにしたほうが良いですね。
着用後は、柔らかい布でふく程度にして、汚れが気になる時は、ぬるま湯で洗う程度にするのがおすすめです。
超音波洗浄時の衝撃で割れることがあるそうなので、超音波洗浄は避けたほうが良さそうですね。
また、紫外線等によって、退色しやすいので、保管は宝石箱等の暗い場所にしましょう。
上の画像は十数年前に購入したクンツァイトですが、色がぬけてかすかにピンクが残ってはいますが、ほとんど透明になってしまいました。
それほど日に当てた記憶はないのですが、こんなに色がぬけるものなのか?ちょっと疑問ですけど…。
最初は、これくらい↓の色味だったんです。
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ですので、皆さまも保管にはお気をつけくださいね。
まとめ
スポジューメンは、なかなかデリケートな石ですが、色味や大きさ、希少性など魅力の多い石です。
ジュエリーに仕立てるには工夫が必要かもしれませんが、お手入れや保管の注意点を理解していれば、十分楽しめる石だと思います。
一つはコレクションに加えたい石ですね。
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