コランダム/Corundum (ルビー・サファイア)

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コランダム/Corundum
和名:鋼玉/こうぎょく
化学組成:Al₂O₃
結晶系:三方晶系
劈開:なし
モース硬度:9
光沢:ガラス状
色:青、黄、緑、紫、ピンク、無色、灰色など
屈折率:1.762〜1.770
複屈折量:0.008〜0.010
比重:4.00(+0.10,−0.05)

 

 

自宅でジュエリー製作をしております。
石の買いつけも自分でしているため、宝石鑑別についても勉強中です。
学んだことの備忘録として宝石について綴っています。
宝石好きな方、ジュエリーを製作される方の参考になれば幸いです。

 

コランダムってどんな石

 コランダムは鉱物の名称で、サンスクリット語の「Kuruvinda」(クルビンダ)に由来します。

 コランダムという名前に馴染みのない方も、ルビーやサファイアなら聞いたことがあると思います。
 コランダムというのは、鉱物名で、色の違いで赤い色のコランダムをルビー、青など赤以外の色のコランダムをサファイアと呼びます。

 ルビーとサファイアは、色の違いだけで、同じコランダムという石なんです。

 宝石の鑑別技術のない時代から、ルビーもサファイアも存在していましたし、人々の生活に溶け込んでいました。赤い石と青い石、それが同じ石だとは思われずそれぞれに名前がつけられたんですね。

 

 ここからはちょっと化学的なお話し。

 コランダムの化学組成を見ていただくと、Al₂O₃でアルミニウムと酸素でできてることはなんとなくわかっていただけると思います。

 これはアルミニウムの酸化鉱物なのですが、ケイ素Siを含まない宝石って実は少ないんです。

 地殻の中に一番多いのが酸素で、次がケイ素。そのケイ素を含まない状態で結晶になれる環境って実は少ないので、ほとんどの宝石の化学組成を見るとケイ素の元素記号「Si」が入っていますよね。

 

 化学組成や、結晶構造など、よく分からなくて頭が痛くなっちゃいますし…私も十分に理解できてはいませんが、宝石の素性を知るヒントが隠されているので、少しでも興味を持っていただければうれしいです。

 

 

ルビー

オーバルカットのルビーのルース

 ルビーは、ラテン語で赤を意味する「Rubeus」(ルベウス)に由来します。和名は紅玉(こうぎょく)です。

 ルビーの赤色は、クロムに起因します。

 

ルビーについて、詳しくは「GIA・米国宝石学会」のサイトがおすすめです。
 ↓

ルビー | ルビーストーン – GIA
ルビーは、サファイアを含むコランダム鉱物の中で最も貴重な品種です。 ルビーは、カラーストーン市場において非常に重要な宝石です。

 

さてさて、クロムを含む赤いコランダムがルビーということはわかりましたが、赤と言ってもオレンジっぽい赤、ピンクっぽい赤など案外色の幅があるものです。

となると、ルビーとオレンジサファイア、ピンクサファイアの境目はどこ?となりますよね?

でね、これがかなり曖昧なんです。

 鑑別機関などでは、マスターピースと呼ばれる色見本の石と比較して決めていたり、クロムの含有量を分析して何%以上がルビーって決めていたりします。

 ですが、実際の取引現場では、一石ずつすべて分析までしませんので、すべてさじ加減。個人の色の判別具合によります。

 

 

サファイア

 サファイアは、ラテン語で青を意味する「Sapphirus」(サフィルス)に由来します。和名は蒼玉・青玉(せいぎょく)です。

 赤のルビー以外のコランダムは、サファイアと呼ばれますが、単にサファイアと言う時にはブルーのサファイアを指します。

 

サファイアについて、詳しくは「GIA・米国宝石学会」のサイトがおすすめです。
 ↓

サファイア | サファイアストーン – GIA
「サファイア」という名前は、特定の堆積層を探索して自然に発見された、ルビーレッド以外のコランダム全変種に使われます。

 

ブルーサファイア

オーバルカットのブルーサファイアのルース

 サファイアの青色は、鉄とチタンに起因し、鉄が多いほど青色が濃くなります。

 ブルーと言っても、純粋な青から緑がかった青、紫がかった青と色に幅があります。
インドとパキスタンの国境、カシミール山岳地域で産出される、コーンフラワー(矢車菊)と呼ばれる色味のサファイアが貴重色とされています。

 

ファンシーサファイア

 青以外のサファイアをファンシーサファイアと呼びます。

 一般的には、色名を前につけて、ピンクサファイア、オレンジサファイア、パープルサファイアなどと呼びます。

 

パパラチアサファイア

 「Padparacha」(パパラチア)サファイアもファンシーサファイアなのですが、オレンジとピンクの混ざった独特の色味が特徴で、特別扱いされてます。

 とても美しい色味で人気がありますが、ベリリウム拡散加熱処理された、パパラチアカラーのサファイアも市場に多く出まわっているので、注意が必要です。

 ベリリウム拡散加熱処理されたサファイアは、パパラチアサファイアとは呼べませんし、価値も大きく下がります。

 

スター効果とカラーチェンジ

 スター効果はシルクと呼ばれる針状のインクルージョンが、均一に入ることによってあらわれます。この効果は、ルビーとサファイアの両方に見られます。

 

 カラーチェンジサファイアは、タンザニア産を主にいろんな産地で採掘されています。変化する色合いは、産地によって異なります。

 

合成ルビー、合成サファイア

 ルビー、サファイアは、合成石も多く出まわっています。

 天然の石と成分や結晶構造が同じで、屈折率も同じですので顕微鏡で見て、合成石特有の内包物で判断します。

合成サファイアの色むら
合成ルビーの気泡

 

 

コランダムの処理

加熱処理

 ほとんどの、コランダムは加熱処理され、美しい色にされています。市場に出まわっているコランダムは全て加熱されていると考えていいと思います。

 通常の加熱では、退色などの経年劣化はしませし、石の価値を下げるものではありませんので安心してください。

 

鉛ガラス含浸処理

 コランダムの割れ目に鉛ガラスを染み込ませる、含浸処理をされたものも見かけるようになりました。

 ガラス部分は当然硬度が低いですし、宝石としての価値はかなり下がります。

 

ベリリウム拡散加熱処理

 ベリリウム拡散加熱処理は、パパラチアサファイアのところでもお話しした処理です。

 加熱時にベリリウムも一緒に加熱し、コランダムの表面に付着させて鮮やかな色を作ります。

 色は、中まで浸透していません。

 宝石としての価値は下がります。

 

 

コランダムのお手入れ

 コランダムは、硬さもあり、熱や薬品にも強いので日常生活でそれほど気を使わず、気軽に身に着けていただけます。

 基本的には、柔らかい布でふくぐらいで、裏側に汗・皮脂汚れが気になるときは、ぬるま湯に中性洗剤を少し入れたものを柔らかい歯ブラシなどにつけて洗います。

 保管時には、他の石を傷つける可能性があるので、他のジュエリーに触れないように離しておきましょう。

 

 

まとめ

 ルビーもサファイアも硬度は高く、カラーバリエーションも豊富、お手入れにもそれほど気を使わなくてよく、とても扱いやすい石です。

 人気のある石のため、合成石や処理石も多く出まわっていますので、購入時には注意が必要です。

 どの石もそうですが、ちゃんとした石屋さんで購入するようにし、ネットなどで個人の方などから購入した時は、鑑別に出した方が無難です。

 

 コランダムは処理や合成の多い石です。

 また、国によって、未処理石に対する考え方が違います。

 私の経験ですが、海外のバイヤーさんが未処理石として販売している石の色が、加熱処理されているように見えたので突き詰めて聞いてみると、「ノーマルヒート(通常加熱処理)は、されていて当然なので、未処理扱いにしている。」とのことでした。
 市場や業界によって、あたりまえすぎて言うまでもないことは多々あるでしょうし、あえて言わないということなのでしょう。

 ジュエリー作家として、一番気をつけなければいけないのは、知らずに間違った情報を鵜呑みにしたまま、お客様に販売してしまうことです。

 私も、まだまだですが、勉強を怠らないようにしたいものです。
 正しい知識を身につけることは、お客様から信頼されるためにとても重要だと常々思っております。

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