洋彫りのタガネって普段使うものではないので、まずどうやって持ったらいいのか?わかりませんよね。
Incisione – フィレンツェ彫りは、タガネを手の力で押して金属を彫っていきますので、手に負担がかかります。また、刃先の鋭いタガネを使いますので力任せに彫ろうとすると、刃先が滑って怪我をすることもあります。
闇雲に彫ろうとしても上手く彫れませんし、鋭い刃で手を刺さないためにも、持ち方から説明していきますね。
洋彫りタガネの作り方はこちらの記事から→ 洋彫りタガネの作り方①
洋彫りタガネの持ち方、ポイントは3つ
人それぞれ手の大きさ、指の長さ、可動域、手のひらの厚みなどが違いますので、持ちやすい持ち方も違ってきますが、おさえておくポイントが3つありますので、順番に見ていきましょう。
1,木柄を手のひらにあてる
彫る時にタガネを手のひらで押すというか、タガネにかかる力を手のひらで受け止めるので、タガネの木柄の頭?部分を小指球あたりにあてます。
小指球ってどこかと言いますと、手のひらの小指側のふっくらしたところです。
私は、この小指球と手のひらの真ん中の窪みのちょうど境目あたりにあてると、一番収まりがいいです。
ただ、この小指球、筋肉の発達具合によって人それぞれ膨らみが違いますし、収まりのいいところも違ってくると思います。
2,親指を刃の横にそわせる
タガネの刃の動きを安定させるために、親指の位置は重要なポイントになります。
親指の腹は、刃の側面にペタッとそわせるようにします。
実際に彫るときには、親指をガイドに刃を滑らせるようにします。
3,人差指は刃を上から押さえるように
タガネで彫る時に、刃先が浮いてくるのをグッと押さえるのが人差指です。
人差指の腹をあてる位置は、刃の右角あたりです。
私は、この人差指に一番力が入って痛くなるので、指サックをはめて作業をしています。
ポイントの2と3をまとめると、親指と人差指でタガネの刃を上からつまむような形になります。
持ち方のまとめ
3つのポイントをおさえたら、中指、薬指、小指でしっかり木柄をホールドします。
私の持ち方はこんな感じです↓
これが基本の持ち方になります。
使っていて刃が短くなったり、曲線や球面を彫るときなどは、多少指の位置が変わってきたりもしますが、まずはこの基本の持ち方を意識して彫る練習をするといいかと思います。