普段身に着けているジュエリーですが、どのように作られているか知らない方がほとんどだと思います。
イベントなどでの販売時にお客さまに
「私が作っているんですよ。」
と伝えると
「えっ、これ作っているんですか???」
と、驚かれることもしばしばで、作り方の話で盛り上がったりします。
細かく説明すると長くなるので、今回はざくっと簡単に作り方を説明していきたいとおもいます。
※詳細な作り方については、おいおいご紹介していきますね。
1,地金(金属)を直接加工して作る=鍛造
2,ワックス(蝋)で型を作る=鋳造
3,ジュエリーCADでデザインし型を作る=鋳造
それでは、順番に見ていきましょう。
地金(金属)を直接加工して作る=鍛造
銀・金・プラチナの塊をたたいたり、ローラーで伸ばして板状又は棒状にします。
作るものによって適した太さや長さが違うので、その都度地金を用意します。
まずは、下準備といったところです。
市販の板材や角線、丸線もありますのでそれを使用することもできます。
糸鋸で切ったり、ヤットコで曲げたり、ヤスリで削ったりして成形する。
作るものによって、加工の手順も内容も違ってきます。
この作業が一番多岐にわたっており、職人さんや作家さんがそれぞれ工夫を凝らしている部分ではないかと思います。
成形したパーツをロウ付けする
ロウ付けというのは、バーナーで熱してパーツ同士を溶着させることで、ジュエリー製作では避けて通れない作業です。
ゆだんすると、本体が溶けてしまうという恐ろしい作業ですが、その分、うまくいった時の達成感は格別です。
できあがった物を磨いて完成
文字で書くのは簡単ですが、そんなにすぐにピカピカにはなりません。
ロウ付けがうまくいかないと、はみ出したロウを削るだけでも、一苦労です。
ワックス(蝋)で型を作る=鋳造
ハードワックスを削ったり、ソフトワックスを曲げて成形します。
蝋燭のような硬さの、削ったり彫ったりしやすいハードワックスと
少し粘りがあって、手のぬくもりで温めるだけで曲げやすくなるソフトワックスがあります。
ソフトワックスを曲げて作った石枠と
ハードワックスを削って作ったリングをくっつけることもできます。
ワックスの加工はとても自由度が高いですが、繊細でもあります。
強くつかむと、割れたり折れたり変形したりします。
鋳造します
ワックスで作ったものは型なので、それを金属にしなければいけません。
その鋳造作業は、基本的に専門の業者に依頼します。
自分で鋳造することもできますが、自宅で溶けた銀や金を型に流し込むという作業はね…
専門の業者にお任せするのが無難だと思います。
鋳造については、こちら⬇の記事に詳しく書いていますのでご覧ください。
地金になって返ってきた物を磨いて完成です
鋳造業者にワックスを送ると、銀や金になって返ってきますので、湯道(金属の流し込み口)を切り取ります。
湯道が小さいときはヤスリで削り取ります。
地金になってからの加工は鍛造と同じですので、磨いて完成です。
ジュエリーCADで型を作る=鋳造
ジュエリーCADソフトを使ってデザインする
CAD(キャド)とは、建築・機械・部品などの設計に用いられるコンピューターのソフトです。
そのジュエリー用がジュエリーCADです。
パソコンでデザインするので、手描きより正確で緻密なデザインもできます。
3Dプリンターなどで出力する
3Dプリンターの他にもワックス切削機でワックスを直接機械が削ったり、出力方法もいくつかあります。
パソコンでデザインしたままの型ができます。
鋳造します
出力した型をもとに、鋳造します。
そのあとは、ワックス鋳造と同じ工程になります。
まとめ
作り方はざくっと3種類ですが、それぞれ組み合わせることもできるので、
・鋳造で作ったパーツを曲げたりロウ付けしたり
・鍛造で作ったパーツや製品を、型取りして鋳造する
などなど、
いろいろな作り方を知り、技術を向上させることで作りたいものが作れるようになっていきます。
難しく奥の深いジュエリー制作ですが、それゆえに楽しくもあります。
今後も、楽しく素敵なジュエリー作りの世界をご紹介できればと思っていますので、よろしくお願いいたします。
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